食料品の消費税を8%から1%に引き下げる減税が、事実上固まりました。8月3日、自民党の税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議が方針を了承しました。1989年に消費税が生まれてから、税率が「下がる」のは初めてのことです。
結論から言うと、始まるのは2027年4月、期間は2年間。そして家計の実感としては食費(外食・酒を除く)の約6.5%引きになります。この記事で「決まったこと」「まだのこと」「わが家はいくら安くなるか」を整理します。
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決まったこと(8月4日時点):税率・期間・対象と対象外
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税率 | 食料品の消費税 8% → 1% |
| 期間 | 2027年4月1日〜2029年3月末の2年間限定(終了後は8%に戻る) |
| 対象 | いまの軽減税率と同じ範囲=スーパー・コンビニの食料品、テイクアウト、出前 |
| 対象外 | 外食(店内飲食)と酒類は10%のまま |
| 手続き | 7月30日に首相が正式表明 → 8月3日に自民党が了承 → 8月上旬にも閣議決定 → 秋の臨時国会に法案提出 |
高市首相は「私が2年で確実に戻す」と期限を強調しています。2年後の2029年度には、期限のない支援策として給付付き税額控除へ切り替える構想です。この制度が何なのかは先日の記事で整理しています。
まだ決まっていないこと
- 法律はまだ成立していません。閣議決定→秋の臨時国会での審議・可決が残っています(各党の立場に違いがあり、審議の行方はまだ見通せません)
- 財源。食料品を1%にすると税収は年およそ4.4兆円減ります。うち1.6兆円は地方の取り分(地方消費税+地方交付税)で、東京都だけで年1,120億円の減収という試算も出ています。どう穴埋めするかはこれからで、9月に制度の詳細をまとめる予定と報じられています
- 中低所得者向けの給付。残る1%分の負担も中低所得の世帯には給付でカバーして「実質ゼロ」にする案が併せて検討されていますが、対象や金額はこれからです
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なぜ「ゼロ」ではなく「1%」なのか
「どうせ下げるならゼロに」と思いますよね。理由は意外に実務的で、レジと経理システムの改修期間です。税率をゼロにする改修は1年程度かかり、2027年4月に間に合わない。1%なら5〜6か月で対応できる——という判断です。つまり1%は政治的な妥協というより「間に合う最速の下げ幅」です。
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食費月5万〜10万円で、いくら安くなるか(試算)
計算はシンプルです。いま税込108円で買っているものが101円になるので、割引率は 7÷108 = 約6.5%。「7%引き」と言いたくなりますが、税込価格から見ると少し小さくなります。
毎月の食費(外食・酒を除く)× 6.5% が月の節約額です。
| 食費(外食・酒除く)/月 | 安くなる額/月 | 安くなる額/年 |
|---|---|---|
| 5万円 | 約3,200円 | 約3.9万円 |
| 7万円 | 約4,500円 | 約5.4万円 |
| 10万円 | 約6,500円 | 約7.8万円 |
2年間の合計なら、食費7万円の家庭で約10.9万円。決して小さくない金額です。
ただし注意したいのは、外食が多い家庭ほど恩恵が小さいこと。外食は10%のままなので、「食費は月10万円だけど半分は外食」という家庭の対象は5万円分だけです。試算するときは「スーパー・コンビニ・テイクアウトで使っている分」だけを数えてください。
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浮かれる前に知っておきたい3つの注意点
① 始まりは2027年4月。今の物価高には1円も効きません。 それどころか9月は4千品目超の値上げが控えていて、減税開始までの8か月は値上げが先行します。当面の家計防衛は今まで通り「買い方の工夫」が主役です。
② 2年で8%に戻ります。 「安くなった分で生活水準を上げる」と、2029年4月に逆向きの値上げショックが来ます。浮いた分は生活水準に組み込まず、貯蓄に回すのが安全です。
③ 値上げに食われる可能性。 月4,500円の減税効果は、いまのペースの値上げが数か月続けば食われてしまう規模です。減税は「物価高がチャラになる魔法」ではなく「値上げの痛みを和らげる湿布」くらいに考えておくのが現実的です。
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今夜やることは、何もありません
珍しい結論ですが、この減税のために今できる行動はゼロです。買いだめも、家計の組み替えも不要。強いて言えば、家計簿アプリで「食費のうち外食を除いた月額」を一度見ておくと、2027年4月に自分の家の恩恵額がすぐ分かります。
続報の節目はこの3つです。
- 8月上旬:閣議決定(政府として正式決定)
- 9月:財源と給付の制度詳細の取りまとめ(報道ベース)
- 秋の臨時国会:法案審議・成立すれば本決まり
それぞれ動きがあれば、このブログで家計目線の続報を出します。
本記事は2026年8月4日時点の政府・与党の方針と報道各社の情報に基づいています。法案成立前のため、内容は今後変わる可能性があります。