「Geminiが値下げしたらしい」「Claudeの新しいモデルは追加課金になるらしい」——7月に入って、生成AIの料金まわりの話をSNSでよく見かけるようになりました。ざっくりまとめると、こうです。
- Geminiの個人向けエントリープランが月1,200円→725円に値下げ(約4割引き)
- Claudeに最上位モデル「Fable 5」が登場。7月20日から、Max/Team Premiumは引き続き無料枠内、Pro/Team Standardは使った分だけ払う「使用クレジット制」(100ドル分の無料クレジット付き)に
- ChatGPT・Copilot・Perplexityなど他の主要サービスは据え置き
私は普段の作業をClaudeの有料プラン(Pro)でこなしているので、「また料金の話か」と身構えつつ調べました。結論から言うと、普段づかいの人が今すぐ何かをする必要はありません。ただ、判断材料として知っておくと得する変化ではあるので、この記事で整理しておきます。
※この記事は2026年7月16日公開・7月18日更新の情報です。料金は動きの激しい分野なので、契約や乗り換えを判断する前に必ず各サービスの公式ページで最新の金額を確認してください。
2026年7月時点の料金早見表
まず全体像です。主要サービスの個人向けプランを、月額の安い順に並べます(報道ベースの日本円・2026年7月時点)。
入門プラン(月1,000円前後)
| サービス | プラン | 月額 | 7月の動き |
|---|---|---|---|
| Gemini | Google AI Plus | 725円 | 値下げ(1,200円→725円) |
| Grok | X Premium | 980円 | 据え置き |
| ChatGPT | Go | 1,400円 | 据え置き |
標準プラン(月3,000円前後)
| サービス | プラン | 月額 | 7月の動き |
|---|---|---|---|
| Copilot | Microsoft 365 Personal | 2,130円 | 据え置き |
| Gemini | Google AI Pro | 2,900円 | 据え置き |
| ChatGPT | Plus | 3,000円 | 据え置き |
| Claude | Pro | 約3,200円 | 据え置き |
| Perplexity | Pro | 約3,200円 | 据え置き |
見てのとおり、7月に値段を動かしたのはGeminiだけです。エントリー価格の725円は主要サービスの中で頭ひとつ安く、「まず有料AIを試したい」人の入口としてはかなり強い設定になりました。
※Claudeには表のPro(約3,200円)の上に、もっとたくさんやり取りしたい人向けの「Max」プランもあります(Max 5x:月100ドル・Max 20x:月200ドル。それぞれProの5倍・20倍の利用量が目安)。この早見表は「まず1本目に入る」個人向けの価格帯で揃えているため、Maxはここには含めていません。詳しくは次の章で触れます。
Claudeの新モデル「Fable 5」は何が特別なのか
もうひとつの大きな動きがClaudeです。6月末〜7月頭にかけて、Anthropicから新モデルが立て続けに出ました。
- Sonnet 5(6月30日)——標準モデルの世代交代。こちらはPro等の定額プランの枠内でそのまま使えます
- Fable 5——最上位モデル。一度は米国の輸出規制の影響で提供が止まりましたが、規制解除を受けて7月頭から世界で使えるようになりました
問題は Fable 5 の課金方法です。ここは二転三転していて分かりにくいので、経緯から整理します。
まず、有料プランの枠内でFable 5を追加料金なしに試せる「お試し期間」が、次のように段階的に延長されてきました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 7月1日〜 | Pro/Max/Team等の有料プランで、週間利用上限の最大50%までFable 5を追加料金なしで試用可能に |
| 7月7日 → 7月12日 → 7月19日 | 期限が2度延長(Fable 5の人気の高さと、確保できる処理能力の兼ね合いとされる) |
そして7月18日、Anthropicが公式X(@claudeai)で、7月20日以降の扱いを正式発表しました。「また延長するかどうか」ではなく、プランごとに恒久的な線引きをするという形での決着です。
| プラン | 7月20日以降のFable 5の扱い |
|---|---|
| Max(5x/20x)・Team Premium | これまで通り週間利用上限の50%まで、追加料金なしで利用継続(お試しではなく標準機能として定着) |
| Pro・Team Standard | 定額の枠には含まれなくなり、使用クレジット(従量課金)でのみ利用可能。移行にあたり一度きり100ドル分のクレジットが無料付与される |
つまり最終的な着地点は、「お試し期間が終わったら全員クレジット制」ではなく、上位プラン(Max・Team Premium)は無料枠がそのまま定着し、Pro・Team Standardだけがクレジット制に一本化されたという形でした。
使用クレジットの単価は、入力100万トークンあたり10ドル・出力50ドル(従来の上位モデル「Opus」の2倍)。100ドルの無料付与分を使い切って追加購入する場合は、Claude.aiの「設定→使用状況」から資金を追加する形式で、最低50ドルから、1日あたりの購入上限は2,000ドル。残高が一定額を下回ったら自動で追加チャージする設定も選べます。単価は消費者向けの割増料金ではなく、通常のAPI料金と同じです。
Pro・Maxプランでどう違う?
まずClaudeの契約プランの価格と利用量を整理すると、次のとおりです。
| プラン | 月額 | 利用量の目安 |
|---|---|---|
| Claude Pro | 約3,200円(20ドル) | 基準(5時間ごとに約45メッセージが目安) |
| Claude Max 5x | 約15,500円(100ドル) | Proの5倍 |
| Claude Max 20x | 約31,000円(200ドル) | Proの20倍 |
上の発表のとおり、7月20日以降はFable 5を無料で使い続けられるかどうか自体がプランで分かれます。
- Max(5x/20x)・Team Premium:Fable 5は引き続き月額プランの範囲内。週の利用上限の50%までは、これまで通り追加料金なしで使えます
- Pro・Team Standard:Fable 5は月額プランの対象外になり、使った分はすべて使用クレジットからの支払いに。ただし移行時に100ドル分のクレジットが無料でもらえるので、当面はこの範囲で実質無料に試せます
私自身はProプランで使っているので、この先の「Fable 5にお金を使うべきか」という話は、基本的にPro・Team Standardユーザー向けの内容になります。Max・Team Premiumの人は、これまで通り気にせず使い続けて大丈夫です。なお、無料のFreeプランはそもそも今回の対象外(Fable 5自体を利用できません)。
「実質値上げ」ではない、と私は受け取っています
こう聞くと「また実質値上げか」と思うかもしれませんが、今回は前回の騒ぎとは構図が違います。
6月15日に予定されていた料金改定は「今までの使い方の一部を別枠に移す」話だったので、実質値上げと受け取られました(結局、直前で一時停止になりました。この一時停止は7月13日時点でも続いています)。
一方、今回の Fable 5 は今まで存在しなかった最上級の選択肢が、追加料金つきで増えたという話です。SonnetやOpusといった従来のモデルは、これまでどおり定額の枠内で使えます。私もProプランのまま何も変わらず使えています。「高性能な新幹線が新設されたが、乗るなら特急券がいる。在来線は今までどおり」というイメージが近いと思います。
で、どうすればいい?──タイプ別の判断
有料AIをまだ使っていない人
Geminiの725円は試す価値のある入口です。月1,000円を切る主要サービスは現状ここだけなので、「有料AIってどれくらい違うのか」を体験する最初の一歩としては一番ハードルが低くなりました。合わなければ翌月やめればいいだけです。
すでにChatGPTやClaudeの有料プランを使っている人
安さだけで乗り換えるのはおすすめしません。私自身、Geminiは書いたものの確認用に無料の範囲で触っていますが、メインの作業ツールを移す予定はありません。理由は単純で、AIツールは「安いか」より「自分の使い方に合っているか」で選ばないと、結局作業のやり直しで時間を失うからです。値下げは「Geminiが合っている人にとって、より安くなった」という話で、合うかどうかは変わりません。
各サービスの得意分野は ChatGPT・Claude・Geminiの比較記事 にまとめてあるので、乗り換えを考える人はまずそちらで相性を確認してみてください。
Claudeユーザーは「Fable 5のクレジット」を買うべき?
Max・Team Premiumの人はそもそも何もしなくて大丈夫です。7月20日以降も、これまで通り週間上限の50%までFable 5を無料で使えます。
Pro・Team Standardの人も、急いで追加購入する必要はないと考えています。移行時に100ドル分のクレジットが自動で付与されるので、まずはその範囲でFable 5の実力を確かめるのが先です。そのうえで、100ドルを使い切っても慌てて追加購入しなくていい理由が2つ。
- 定額の枠内で使える Sonnet 5 が同時期に出ており、標準モデルだけでも世代が新しくなっている
- 追加のクレジットは50ドルからとまとまった額で、日常の文章作成や調べ物でその性能差を回収できる場面は限られる
Fable 5 が効くのは、長時間の自動処理や大規模な開発といった「一番重い仕事」です。「最新モデルだから」という理由だけで買うと、クレジットを余らせがちです。まずは手元のプランの範囲で Sonnet 5 を使ってみて、明確に力不足を感じてからで遅くありません。
なお、Claudeの月々の枠を上手に使うコツは トークン消費の節約設定の記事 にまとめています。
まずはここから──今夜やることは1つ
料金表とにらめっこする前に、自分が今のAIに月いくら払っていて、何に使っているかを1行書き出してみてください。「月3,000円・文章の下書きと調べ物」のような1行です。
それだけで、「725円のGeminiで足りるかも」「今のプランのままでいい」「上位モデルに投資する価値がある」のどれなのか、だいたい見えてきます。料金の変化はこれからも続きますが、自分の使い方さえ把握していれば、そのつど落ち着いて判断できます。
OpenAIの次世代モデル「GPT-5.6」(Sol・Terra・Lunaの3モデル構成)は、その後7月9日に一般公開されました。各社の料金がまた動く可能性があるので、変化があればこの記事に追記します。
追記(2026年7月18日)
Fable 5の「お試し期間」は、その後の延長ではなく、プランごとの恒久的な線引きという形で決着しました(Max・Team Premiumは無料枠継続/Pro・Team Standardはクレジット制+100ドル無料付与)。本文はこの発表(Anthropic公式X・2026年7月18日)を反映して更新しています。