「Codexって最近すごく変わったらしい」——AI系のニュースを追っていると、そんな話をよく見かけるようになりました。もともとは”コードを書く道具”だったはずが、いつのまにかパソコンを操作したりスマホから動かせたりと、別物になりつつあります。
この記事では、OpenAIのCodexが2026年前半(1月〜7月)でどう変わったのかを時系列で総まとめします。エンジニアでなくても「今のCodexは何ができる道具なのか」がつかめるように、専門用語はかみ砕いて整理しました。
※この記事は2026年7月時点の公式情報をもとにした整理です。私(のむ)の普段づかいはClaude Codeなので、Codexの実機レビューではなく「公式発表ベースのまとめ」として読んでください。機能や提供地域は今後も変わります。
そもそもCodexとは
CodexはOpenAIが出しているAIコーディングの相棒です。ざっくり言うと「作りたいものを言葉で伝えると、コードを書いたり直したりしてくれるAI」。位置づけとしては、私がいつも使っているClaude Codeのライバルにあたります。
もともとはコードを書くことに特化した道具でした。ところが2026年前半で、その枠を大きくはみ出してきた——というのが今回の話の中心です。
直近アップデート早見表
まず全体像です。この半年の主な動きを並べると、こうなります。
| 時期 | アップデート | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 3月 | GPT-5.4 が主力モデルに | 頭脳が新しくなり、パソコン操作の力がつく |
| 4月 | 「Codex for (almost) everything」 | コード以外もやる”何でもエージェント”へ |
| 5月 | GPT-5.5 が登場 | 現在の主力モデル。無料枠にも展開 |
| 6月2日 | 役割別プラグイン6種・Sites・Bedrock対応 | エンジニア以外も、コードなしで使える方向へ |
| 6月 | Codex Remote 一般提供・Record & Replay | スマホから遠隔操作/操作の”録画→再利用” |
| 6月26日 | GPT-5.6 を発表(限定公開) | 次世代モデル。まだ一般には未提供 |
ここから、大きな流れを1つずつかみ砕きます。
①「コードだけの道具」から「パソコンを操るエージェント」へ(4月)
いちばん大きな転換点が、4月16日の「Codex for (almost) everything(ほぼ何でもできるCodex)」というアップデートです。
デスクトップアプリが、こんなことをできるようになりました。
- パソコン(Mac)そのものを操作する — 画面上のアプリを見て、クリックしたり文字を打ったりする
- アプリ内でネットを見る — ブラウザを内蔵し、自分で調べながら作業する
- 画像を作る
- 好みを覚える(メモリ機能) — 前に伝えたことを次から反映する
- 裏で複数の作業を同時に進める
つまり「コードを書くAI」から「パソコンの前に座った作業者のように動くAI」へ変わった、ということです。この”パソコンを見て操作する”力は、少し前まで一部だけでしたが、その後 Windows でも使えるように広がりました。
② エンジニア以外も使える方向へ(6月2日)
6月2日には、役割別プラグイン6種・Sites機能・Amazon Bedrock対応という3つが同時発表されました。ねらいは「エンジニア以外の人も、コードを書かずにCodexを使えるようにする」ことです。
- 役割別プラグイン6種 — データ分析やクリエイティブ作業など、仕事の役割に合わせた”追加パーツ”を選んで使える
- Sites — Webサイト・ダッシュボード・社内ツール・簡単なゲームなどを作って、そのままOpenAI側に置いて公開・確認までできる機能
- Amazon Bedrock対応 — 企業がAmazonのクラウド基盤の上でCodexを動かせるようにする対応(法人向けの話なので、個人利用ではあまり気にしなくてOK)
「プログラミングできる人の道具」から「言葉で指示できれば使える道具」へ、間口を広げにきた印象です。
③ スマホから遠隔操作/操作の”録画→再利用”(6月)
6月には、使い勝手まわりの目立つ機能が2つ入りました。
Codex Remote(遠隔操作)が全プランで一般提供に。 これは、外出先のスマホ(ChatGPTアプリ)から、家や職場に置いたパソコン上のCodexにつないで、進み具合を確認したり「その案でOK」と承認したりできる機能です。スマホとパソコンはQRコードで1対1にペア登録する仕組みで、セキュリティにも配慮されています。
Record & Replay(録画して再利用)。 一度やって見せた操作の手順を、そのまま”使い回せるスキル”として保存できる機能です(Mac向け)。毎回おなじ作業をさせたい時に便利、という位置づけです。
④ 中身のモデルは「GPT-5.5」が主役、5.6はまだ限定
Codexの”頭脳”にあたるAIモデルも動きました。2026年7月時点の状況を整理すると、こうです。
| モデル | 立ち位置 |
|---|---|
| GPT-5.5 | 現在の主力。5月に登場し、無料枠にも展開された。ふだんの作業はまずこれ |
| GPT-5.4 / 5.4 mini | ひとつ前の世代。今も選べる |
| GPT-5.6 | 6月26日に発表。ただし審査を通した一部の組織向けの限定公開で、一般にはまだ提供されていない |
ニュースだと「もう5.6が来た」と読めることがありますが、普通に使える主力は今のところGPT-5.5、というのが正確なところです。
使う前に知っておきたい注意点
便利になった一方で、気をつけたい話も出ています。
6月に、「Codex向けの便利ツール」を装った悪いパッケージが、ログイン情報などを盗み出す手口に使われた事例が報告されました。プログラムの部品を追加する仕組み(npmという配布の場)を悪用したもので、いわゆる”名前が似ているだけの偽物をうっかり入れてしまう”タイプの被害です。
非エンジニアの方が直接ひっかかる場面は多くありませんが、「便利そうだから」と出どころの怪しい追加ツールをそのまま入れない、というのは、AI周辺の道具ぜんぶに共通する基本の注意点です。
のむの視点:Claude Code使いから見た「今のCodex」
正直に書くと、私の日々の相棒はClaude Codeで、Codexは”追いかけている側”です。だからこそ念のため補足しておきたいのが、ここで挙げたCodexの新機能は、けっしてCodexだけの特別なものではないという点です。
- パソコンを操作する機能 — Claude側にも「コンピュータ操作」と呼ばれる同じような機能があります
- スマホから動かす — Claudeもブラウザやアプリ経由でスマホから使えます
いま起きているのは、各社のAIがそろって同じ方向——コードを書くだけの道具から、パソコンごと動かす”エージェント”へ——に進んでいるという大きな流れです。Codexもその流れの中で、この半年で一気に機能を広げてきた、という見方が近いと思います。
なので選ぶ基準はもう「できる/できない」ではなく、細かい使い心地や、自分がどっちに慣れているかに寄ってきています。私はたまたまClaude Codeに慣れているので当面それを主力にしますが、これはどちらが上という話ではありません。
AIコーディングツールをこれから触ってみたい方は、まず名前をよく聞く2つ・3つの違いをざっくり知っておくと選びやすくなります。ChatGPT・Claude・Geminiの立ち位置の違いは AI3強のざっくり比較記事 にまとめてあるので、あわせてどうぞ。
まとめ
2026年前半のCodexを一言でまとめると、「コードを書く道具から、パソコンごと動かすエージェントへ」という半年でした。
- 4月:Mac操作・ブラウザ内蔵・メモリで”何でもエージェント”化
- 6月:役割別プラグイン・Sites・遠隔操作・録画再利用で、間口と使い勝手が拡大
- モデルはGPT-5.5が現行の主力、5.6は限定公開の段階
ただしこの「エージェント化」はCodexだけの動きではなく、Claudeなど他のAIも同じ方向に進んでいます。だから選ぶ基準は「どれが何をできるか」より、自分の作業に合うか・慣れているかに移りつつあります。私自身は当面Claude Codeを主力に、Codexの動きは追いかけつつ、という付き合い方を続ける予定です。使ってみて発見があれば、また実体験ベースで書きます。
Claude Code側の話に興味があれば、トークン消費を抑える設定 や 「重い・遅い」ときの原因と対処 もどうぞ。実際に使いながらためた、地味だけど効く話をまとめています。