「ほとんどアクセスがないから、301リダイレクトはなくても大丈夫」——その判断が、検索流入をゼロに叩き落とすとは思っていませんでした。
この記事は、個人ブログを WordPress(ConoHa WING)から Astro + Cloudflare Pages に移行した 約1週間後に、Search Console でクリック0・表示2・インデックス49中1ページという壊滅的な数字を見て、ようやく原因に気づいたときの記録です。同じ失敗を避けたい方、あるいは静的サイトへの移行を検討している方の参考になれば嬉しいです。
結論を先に
- WordPress → Astro + Cloudflare Pages へ移行した
- 旧サイトを生かしたまま 新サイトを公開した(301リダイレクト未設定)
- 結果、Googleが新サイトを重複コンテンツと判定
- Search Console:3か月でクリック0、表示2、平均掲載順位10.5、インデックス1/49ページ
- 旧WPを削除した瞬間に問題は解消方向へ(その日のうちに複数ページのインデックス状況が改善)
- 学び:アクセスが少なくても、旧サイトを並走させてはいけない
短くまとめると、SEOにおいて「両方のドメインから同じコンテンツが見える」状態が一番危険、というだけの話です。当たり前なのですが、アクセス数が少ないことを理由に油断しました。
移行を決めた理由
WordPress(ConoHa WING)で運用していた旧ブログには、こんな悩みがありました。
- プラグイン更新と脆弱性監視が地味にしんどい
- 表示速度がイマイチ(特にモバイル)
- Markdownで書きたい(エディタの自由度を上げたい)
- 月額1,000円のサーバ代を浮かせたい
アクセスがそこまで多くない個人ブログにこの維持コストはバランスが悪い。そう判断して、思いきって静的サイト + 無料ホスティングに切り替えることにしました。
選んだ構成
検討した結果、こうなりました。
| 項目 | 旧(WordPress) | 新(Astro) |
|---|---|---|
| サーバ | ConoHa WING(月1,000円) | Cloudflare Pages(無料) |
| ジェネレータ | WordPress | Astro + AstroPaperテーマ |
| 記事の保存形式 | DB | Markdown(GitHub管理) |
| デプロイ | FTP/管理画面 | git push で自動デプロイ |
| 表示速度 | 2〜4秒 | 0.5秒以下 |
| 維持コスト | 月1,000円 | 0円 |
Astro は「静的サイトジェネレータ」のひとつで、Markdown を書くだけで HTML を吐き出してくれます。Cloudflare Pages は GitHub と連携した無料の静的ホスティング。組み合わせると 「Markdown を書いて git push するだけで世界配信」 という体験になります。
移行手順(5ステップ)
実際にやった作業を簡単に。
- WP REST APIで全記事をエクスポート:記事23本・画像91枚を JSON で取得
- Pythonスクリプトで .md 変換:HTML → Markdown へ機械変換、画像URLも置換
- Astroプロジェクトを構築:AstroPaperテーマをベースに調整
- Cloudflare Pagesにデプロイ:GitHub Actions で git push → 自動ビルド
- DNSを新サイトに向ける:新ドメイン nomublog.com を Cloudflare Pages にカスタムドメイン登録
ここまでは、想定どおり順調でした。問題が起きたのはこの後です。
失敗:「アクセスが少ないから301リダイレクトは不要」と判断した
新ドメイン(nomublog.com)でサイトが公開できたあと、私はこう考えました。
旧ドメインのアクセスはほぼゼロに近い。301リダイレクトを設定する手間より、放置して契約期間が終わるのを待った方が合理的。
これが大失敗でした。
旧 WordPress は ConoHa WING 上でそのまま動き続けていました。同じコンテンツが nonoblog.com(旧)と nomublog.com(新)の両方からアクセスできる状態です。
Googleの目線で見ると、こうなります。
- 「nonoblog.com にこの記事があるな」(古いほうを既に知っている)
- 「nomublog.com にも同じ記事がある」(新しいほう)
- 「どちらが正規なのか判定できない」
- 「重複コンテンツの可能性が高いので、新しい方はインデックスを保留」
この結果、Search Console を開いてみたら、こんな数字が並んでいました。
- インデックス登録済み:49ページ中1ページのみ
- 検出 - インデックス未登録:44ページ
- クロール済み - インデックス未登録:5ページ
- 過去3か月のクリック数:0回
- 過去3か月の表示回数:2回
検索流入はほぼゼロ。新サイトを公開したのに、Googleからは「存在しないも同然」の扱いになっていました。
解決:旧WPを削除した瞬間に状況が動き出した
原因に気づいてから、対処は早かったです。
ConoHa WING の管理画面にログインし、旧 WordPress を削除しました。これだけです。
旧サイトの状態を確認すると、こうなっていました。
$ curl -sI https://nonoblog.com/
HTTP/2 403
403 Forbidden。コンテンツへのアクセスが完全に遮断された状態です。Googleは「旧サイトのコンテンツは消えた」と判断するはず。
そして驚いたのが、Search Console で 重要記事のURL検査をしたところ、すでに4ページがインデックス済みになっていたことです。Search Consoleのサマリ画面では「インデックス済み1ページ」と表示されていたのに、実際にはサマリの更新ラグだったようです。残り未登録の記事も、URL検査の「インデックス登録をリクエスト」で優先クロールキューに追加しました。
旧サイト削除と並行して、新サイトの主要記事10本に対してインデックス登録リクエストを送り、ようやく落ち着きました。これからはサマリ数値が正しく追従していくのを待つだけです。
学んだこと
短い失敗体験でしたが、得たものは大きかったので整理しておきます。
1. アクセスが少なくても、旧サイトを並走させてはいけない
「アクセスが少ないから影響は無視できる」は、新サイトのインデックスを止める要因としては十分でした。Googleは「アクセス数が多いか少ないか」ではなく「同じコンテンツが2箇所にあるか」で判定します。
2. 301リダイレクトか、旧サイト削除のどちらかを必ず実施する
選択肢は2つです。
- 301リダイレクト:旧URLから新URLへ恒久的に転送する。被リンク・PR権威を引き継げる
- 旧サイト削除:物理的にコンテンツを消す。被リンクは失うが、最速で重複判定を解消できる
アクセスが少ないなら削除でも実質同じ効果です。私は削除を選びました。
3. Search Consoleのサマリ数値は更新ラグがある
「インデックス済み1ページ」という表示を見て焦りましたが、実際には複数ページが既に登録されていました。個別URLの検査結果のほうが正確です。
4. 移行作業の最後の最後に、SEOは盲点になる
「データ移行ができた」「サイトが表示できた」「ドメインが向いた」——ここまで来ると気が緩みます。でも実は移行はインデックスが正しく動いて初めて完了です。
これから移行する人へ:チェックリスト
私の失敗を踏まえた、移行時のSEOチェックリストです。
- 旧URLと新URLのマッピング表を作る(URLパターンが変わる場合は特に)
- 301リダイレクトを旧サーバに設定する、または旧サイトを削除する
- Search Console で新ドメインのプロパティを追加する
- サイトマップ送信(sitemap.xml)
- Search Console で「アドレス変更ツール」を使う(旧→新の権威継承)
- 重要記事はURL検査でインデックス登録をリクエスト(10本程度)
- 1〜2週間後に再度Search Console確認
特に最初の2つ(マッピング表+301or削除)は、移行作業の計画段階で必ず入れることをおすすめします。後から付け足すと、私のように一度数字を壊してから対応することになります。
まとめ
ブログを WordPress から Astro + Cloudflare Pages へ移行する作業自体は、思ったより楽でした。Markdown で書ける気持ちよさ、表示速度の改善、無料化のメリットは大きい。
ただし、SEOだけは慎重に扱う必要があります。とくに「旧サイトをどうするか」は、技術選定と同じくらい重要な判断です。アクセス数が少なかったとしても、Googleの判定ロジックには関係なく、重複コンテンツとして扱われます。
これから移行する方は、ぜひ私と同じ失敗をせず、計画段階で旧サイトの処理方針を決めてから動き出してください。
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