先月、6月の値上げ1,078品目の記事で「本当に身構えるべきは7月」と書きました。その7月の数字が固まったので、約束どおり続報です。
帝国データバンクの調査で、2026年7月の食品値上げは2,269品目で確定しました。6月の1,078品目から倍増し、単月で2千品目を超えるのは4月以来3か月ぶりです。
ただ、今回いちばん伝えたいのは品目数そのものではありません。6月とは値上げの「顔ぶれ」が変わったことです。6月の主役は調味料・食用油・即席麺といった「棚に買い置きできるもの」でした。7月の主役はパン・ハム・即席麺。つまり、買い置きで先回りしにくいものが中心に移っています。
この記事では、
- 7月に何が・どれだけ上がるのか(確定した一次情報)
- 値上げの背景は相変わらず「ナフサ(石油原料)」だという話
- 買い置きできない食品を、買いだめ以外でどう逃がすか
を、家計目線で整理します。結論から言えば、今月は「冷凍庫を1段あける」ことが、棚に缶詰を積むより効く月です。
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7月の値上げ、数字で見ると
まず全体像です。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年5月29日発表)から、確定した数字を拾います。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 7月の値上げ品目数 | 2,269品目 |
| 前月(6月)からの増加 | 1,078品目 → 約2.1倍 |
| 単月2千品目超え | 4月以来3か月ぶり |
| 前年同月(2025年7月) | 2,105品目(7か月ぶりに前年超え) |
注目は、2025年12月以来7か月ぶりに「前年同月を上回った」点です。ここ最近は「去年よりはマシ」という月が続いていましたが、7月はその流れが切れました。値上げのペースが、もう一段上がったということです。
カテゴリで見ると「加工食品・パン」が中心
6月と7月の2か月をまとめて見ると、上がるものの中心がはっきりします。
| カテゴリ | 6・7月合計 | 中身 |
|---|---|---|
| 加工食品 | 1,238品目 | 即席麺・カップスープなど |
| パン | 978品目 | 食パン・菓子パン |
| 菓子 | 516品目 | スナック・ビスケットなど |
| 調味料 | 500品目 | マヨネーズ・ドレッシング類 |
※この内訳は6月と7月を合わせた数字です(7月単月の内訳は公表されていません)。
6月に多かった調味料は一段落し、代わりにパンが978品目と前面に出てきたのが7月の特徴です。前年の2025年7月はパンの値上げがほぼゼロだったので、ここは去年と大きく違うところです。
具体的に上がるもの(確認できた主なメーカー)
報道と各社発表で確認できた範囲では、7月の主役はこの2つです。
| メーカー / 商品 | 規模・値上げ率 |
|---|---|
| 山崎製パン ロイヤルブレッド・ダブルソフトなど | 306品目・出荷平均5.6%(食パン類は平均6.6%) |
| 伊藤ハム米久 ハム・ソーセージ類 | 5〜30% |
山崎製パンは7月1日出荷分から、食パン・菓子パン・和洋菓子あわせて306品目を値上げします。ハム・ソーセージは原料となる豚肉の供給不安(海外の豚熱)も重なって、上げ幅が最大30%と大きいのが今回の特徴です。
毎朝の食パン、お弁当のハム——「買い置きで逃げにくい、生活の真ん中にある食品」が7月の標的になっています。
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背景はやっぱり「ナフサ」、しかも”包む側”が効いている
なぜパンやハムが一斉に上がるのか。中身(小麦・豚肉)の高騰もありますが、私が4月から追いかけているナフサ(石油由来の基礎原料)の波が、まだ効いています。
帝国データバンクの要因分析を見ると、それが数字に出ています(2026年1〜10月の判明分・5月末時点)。
| 値上げ要因 | 比率 |
|---|---|
| 原材料高 | 97.7% |
| 物流費 | 74.1% |
| 包装・資材 | 73.7%(5月末時点で初の7割台) |
| 人件費 | 54.7% |
| エネルギー | 53.0% |
| 中東情勢由来 | 22.7% |
| 円安(為替) | 12.0% |
※要因は品目ごとに重複して数えるため、合計は100%になりません。
注目は、6月の記事でも触れた「包装・資材」が、5月末時点として初めて7割を超えたこと。中東情勢でナフサの供給がしぼり、インク・食品フィルム・トレーが値上がり・品薄になっています。パンの袋もハムのフィルムも、もとをたどればナフサ。「中身」より先に「包む側」が値上げを押しているのが、この夏の局面です。
このあたりの背景は「ナフサ危機」で何が消える?2026年の備蓄リストと、その続報で詳しく書いています。今回のパン・ハムの値上げも、あの話の延長線上にあります。
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落とし所──「7月で打ち止め」ではない
煽りたくはないので、冷静に先を見ておきます。値上げは7月で終わりません。
- 8月は849品目、9月は580品目。どちらも今後の上振れで単月千品目を超える可能性があります
- 2026年通年は1〜10月の判明分で9,361品目。5年連続で年間1万品目を突破するのがほぼ確実です
- 場合によっては、ここ数年でいちばん多かった2024年(12,520品目)を上回る可能性もあります
つまり「7月に全部買い込んで乗り切る」という発想は通用しません。値上げはこの夏ずっと続く流れで、冷蔵庫にも冷凍庫にも限りがあるからです。
だから7月の戦い方は、6月とは少し変えます。6月は「保存のきく缶詰・油・調味料を絞って買い足す」でした。7月は主役がパン・ハムという”買い置きしにくいもの”なので、買いだめ以外の逃がし方が要ります。
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7月版・買い置きできない食品の「逃がし方」
全部は防げません。だから「買い置きできるもの」と「できないもの」で対策を分けます。
🥇 パン:買いだめより「冷凍庫を1段あける」
食パンは常温では数日しか持ちません。でも冷凍なら2〜3週間持ちます。値上げ前のセール時に1〜2斤多めに買い、6枚切りのまま冷凍しておくのが、今月いちばん効く一手です。食べるぶんだけ凍ったままトースターに入れれば、味もほぼ落ちません。
冷凍庫がパンパンだと、この手は使えません。今夜やるなら、まず冷凍庫を1段あけて場所を作るところからです。
🥈 ハム・ソーセージ:PBか特売に一時避難
ハム・ソーセージは冷蔵で日持ちせず、5〜30%という上げ幅も大きい。買いだめには向きません。現実的なのは、しばらくスーパーのプライベートブランド(PB)や、まだ価格据え置きの別メーカー・特売品に乗り換えること。「いつものメーカーが上がったら、数か月はPBで様子見」くらいの割り切りで、月の食費はじわっと変わります。
🥉 即席麺・カップスープ・菓子:ここは買い置きが効く
加工食品(即席麺・カップスープ)は7月も値上げの中心ですが、こちらは賞味期限が長く、買い置きが効くゾーン。6月の記事から引き続き、いつもより1〜2個多めに足しておく価値があります。まとめ買いするなら、このあたりが入口です。
- カップ麺・即席麺 ケース・箱買い(Amazon) / Yahoo!ショッピングで探す ── 賞味期限が長く箱買い向き
- カップスープ・即席スープ まとめ買い(Amazon) / Yahoo!ショッピングで探す ── 加工食品カテゴリの値上げ中心。常温保存OK
- お菓子・スナック 詰め合わせ 大容量(Amazon) / Yahoo!ショッピングで探す ── 516品目が値上げ。日持ちするものは先回りで
菓子(516品目)は値上げ品目こそ多いものの、生活必需ではない嗜好品です。値上げ前のまとめ買いが衝動買いになりやすいゾーンでもあるので、「日持ちする×もともと常備しているもの」だけに絞るのが家計には効きます。
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今夜やること、1つだけ
たくさん書きましたが、今夜やることは1つで十分です。
冷凍庫を1段あけて、次の特売で食パンを1斤多めに買って冷凍する。
7月の主役・パンは、棚に積むのではなく冷凍庫で先回りするのが正解です。ハムは無理に買いだめせず、上がったら一時的にPBへ。即席麺と日持ちする菓子だけ、いつもより少し多めに。——この力の抜きどころが、値上げ疲れしないコツです。
電気・ガス代のほうは、この夏は政府の補助で7〜9月に自動で値引きが入ります。食費も光熱費も「自動で受け取れるものは受け取り、自衛は絞ってやる」が今年の基本姿勢です。
値上げの波は8月・9月も続きます。状況が動いたら、また続報としてまとめます。焦らず、今夜は冷凍庫を1段だけ。
関連して、この値上げラッシュのさなかに、公正取引委員会がアイス大手6社へ立ち入り検査に入りました。「コスト増による値上げ」と「申し合わせの疑い」をどう切り分けて見ればいいかは、アイス6社に公取委が立ち入り──「便乗値上げ」の疑いで家計目線で整理しています。
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参考(一次情報)
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年6月(2026年5月29日発表)
- 山崎製パン プレスリリース(2026年4月28日・7月1日出荷分の価格改定)
- 各社発表・報道(伊藤ハム米久ほか)
※品目数・値上げ率は記事公開時点(2026年6月)の帝国データバンク調査・各社発表に基づく「値上げ予定」の数字です。今後の月次調査で上方修正される場合があります。最新情報は各商品ページ・公式発表でご確認ください。
※7月単月の平均値上げ率は公表されていないため、本記事では割愛しています。
※本記事は Amazon アソシエイトのリンクを含みます。