「AIを使った小説や作品って、結局どのサイトなら投稿していいの?」——創作をしている人なら、一度は気になったはずです。
2025年末から2026年にかけて、主要な投稿・販売サイトが一斉にAI生成作品のルールを更新しました。やっかいなのは、対応がサイトごとにバラバラなこと。知らずに投稿すると、規約違反や、最悪コンテストの受賞取り消しにつながるケースも出ています。
この記事では、
- 主要5サイトの対応を早見表で一覧化
- どのサイトにも共通する「3つの原則」
- 「趣味で書く人/コンテストを狙う人/販売する人」それぞれの動き方
を整理します。筆者はなろう・カクヨム・アルファポリス・pixivに小説を投稿し、BOOTHでも作品を出品している立場なので、実際に各サイトの規約と向き合ってきた目線でまとめます。
⚠️ 注意:規約は頻繁に改定されます。本記事は2026年6月に書き、2026年9月15日になろうの「AI利用状況」必須化(9月1日〜)を反映しました。投稿前に必ず各サイトの最新規約をご確認ください。
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まず結論:主要5サイトの対応早見表
ざっくり全体像です。「補助利用」はプロットの相談や誤字校正など、文章の主体は人間が書くケースを指します。
| サイト | 補助利用(校正・プロット) | 本文をAIで作る | コンテスト・商業 |
|---|---|---|---|
| pixiv | OK | AI生成ラベル必須 | 規約に従う |
| カクヨム | OK | AIタグ必須(3種から選択) | タグ付きで参加可 |
| なろう | OK(設定は必須) | 「AI利用状況」の設定必須(4区分・全編AI生成は禁止) | 補助的利用・不使用でも企業に伝わる |
| アルファポリス | OK(AI校正機能あり) | 投稿は可 | 全コンテスト参加禁止 |
| BOOTH | OK | 規約の範囲で可 | 違反販売はアカウント停止 |
「補助利用ならどこもOK」「本文をAIで作るとラベル・タグや制限が増える」「コンテスト・商業は厳しめ」——この3層構造で覚えると整理しやすいです。

下の図は、その3層をサイト別の対応まで落とし込んだものです。自分がどの層にいるかを決めてから規約を読むと、サイトごとの違いに振り回されずに済みます。
どのサイトにも共通する3つの原則
細かい規約は違っても、根っこの考え方は共通しています。
① 校正・プロットなどの「補助利用」はおおむねOK
誤字脱字チェック、表現の言い換え、プロットのブレストにAIを使うのは、ほとんどのサイトで問題視されていません。アルファポリスにいたっては、公式の「小説AI校正」機能まで提供しています。「人間が書いた文章を、AIで整える」使い方は安全圏です。
② 本文をAIで生成するなら「申告」が必須化の流れ
本文そのものをAIに書かせる場合、ラベルやタグでの申告が必須になりつつあります。pixivは「AI生成作品」ラベル、カクヨムはAIタグ、なろうは2026年9月から使っていなくても「不使用」と設定すること自体が必須になりました。黙って投稿すると規約違反になるサイトが増えました。隠さず申告、が基本姿勢です。
③ コンテスト・商業利用は一段と厳しい
「趣味で公開するだけ」と「コンテスト応募・書籍化・販売」では、ハードルがまったく違います。後者はAI生成作品を明確に制限するサイトが多く、後から発覚すると受賞取り消しの事例も出ています。
各サイトの詳細
pixiv:AI生成ラベルが必須
pixivは規約改定後、「AI生成作品」のラベルを正しく設定することが必須になりました。ラベルなしでAI生成作品を投稿すると規約違反です。表示設定でAI作品の表示・非表示を選べる仕組みとセットで、「申告して棲み分ける」方向に整理されています。
カクヨム:3種類のAIタグから選ぶ
カクヨムは、AIの使い方に応じて「AI本文利用」「AI本文一部利用」「AI補助利用」の3種から該当するタグを付ける運用です。タグを付ければコンテストにも参加できるなど、比較的オープンな姿勢が特徴です。
なろう:2026年9月1日から「AI利用状況」の設定が全作品で必須(2026-09-15 更新)
小説家になろうは、2026年6月9日の新規投稿から「AI利用状況」の設定を必須にし、9月1日からは既存作品も含めた全作品で必須になりました。設定していない作品は、本文の編集・新しい話の投稿・作品情報の編集・誤字報告の適用まで、作品に関する操作がほぼ全部止まります(設定すればその場で解除されます。他の作品の操作には影響しません)。
「AIを使っていないから関係ない」は通りません。使っていない人も「AI不使用」を選ぶところまでが必須です。9月に入ってから「なぜか話が投稿できない」と気づいた人は、まず作品設定ページのこの項目を疑ってください。
区分は4つ。自分がどれに当たるかは、上から順に答えると決まります。

| 区分 | 当てはまる使い方 | 読者に見える? |
|---|---|---|
| AI直接使用 | AIが出した文章を、一文を超えるまとまりでそのまま本文に使った箇所がある(AIに直させた文をそのまま載せた場合も含む) | 見える(この区分だけ) |
| AI間接利用 | AIの出力を下書き・素材にして、本文は全部自分の表現に書き直した | 見えない |
| AI補助的利用 | アイデア出し・資料調べ・誤字脱字チェックなど、本文の表現に触れない使い方だけ | 見えない |
| AI不使用 | 構想・プロット・執筆・校正の全工程でAIを使っていない | 見えない |
迷いやすいのは「補助的利用」と「不使用」の境目です。公式のQ&Aでは、自分からAIに聞きに行った場合が補助的利用で、検索エンジンのAI要約や執筆アプリの自動補正のように受け身で触れただけなら「不使用」でよいとされています。逆に、AIに言い回しを直させてその文を採用したら、それは「補助」ではなく「直接使用」です。
このほか2点。
- 本文が全部AIの生成文だけで、作者の加筆・修正がない作品は投稿禁止(区分以前の問題)
- 実態と違う設定は禁止で、運営対応の対象。補助的利用・不使用は読者に非公開ですが、コンテスト参加や書籍化の際は出版社などに伝わります
作品が多い人ほど、未設定のものが1本残っていると後で気づきにくいので、作品一覧を上から順に見ることをおすすめします。完結済みの作品も、誤字報告を反映するには設定が要ります。
出典:小説家になろう「AI利用状況に関して」ガイドライン/公式ブログ「2026年9月1日以降の『AI利用状況設定』に関するQ&A」
アルファポリス:全コンテストでAI作品の参加禁止
アルファポリスは2025年11月、全コンテストでAI生成作品の参加を禁止しました。対象は「文章の作成を主目的としてAIを利用した作品」で、プロット検討や校正など補助利用は対象外です。受賞や書籍化の打診後にAI生成と判明した場合は取りやめになります。一方で公式の「小説AI校正」機能は提供しており、補助利用は歓迎というスタンスです。
BOOTH:違反販売はアカウント停止
pixivが運営するBOOTHは、AI生成作品への対応を強化しました。規約に違反するAI生成コンテンツを販売するアカウントには停止処分が科されるようになっています。販売という商業行為が絡むぶん、表示や権利まわりの慎重さが求められます。
立場別:あなたはどう動けばいい?
自分の使い方に当てはめると、やることはシンプルになります。
- 趣味で公開するだけの人 → 補助利用なら気にしなくてOK。本文をAIで作るなら、投稿先のラベル・タグだけ正しく付ける
- コンテストや書籍化を狙う人 → ここが一番シビア。本文のAI生成は避けるのが無難。補助利用にとどめ、応募要項のAI条項を必ず確認
- BOOTH等で販売する人 → 規約違反はアカウント停止に直結。表示・権利・素材の出どころを特に丁寧に
筆者の実感:隠さないのが一番ラク
筆者はなろう・カクヨム・アルファポリスに小説を連載し、BOOTHでTRPGシナリオや創作支援ツールも出している創作者です。投稿する側・販売する側の両方でルールと向き合ってきて思うのは、「隠さず、補助に徹し、申告する」が結局いちばんラクだということです。
本文は自分で書き、AIは校正やプロット相談の相棒にする。AIをメインに使う作品はラベル・タグを正しく付ける。コンテストや商業は人間の手による創作で勝負する——この線引きを最初に決めておくと、規約改定のたびに慌てずに済みます。
なお、自分の作品がどう読まれているかを把握したい人向けに、なろうのアクセスを複数作品まとめて見られるツールも作っています。
まとめ
AI創作のルールは、サイトごとに「ラベル必須/タグ必須/コンテスト禁止」とバラバラですが、根っこは「補助はOK・本文AIは申告・商業は慎重に」の3層で理解できます。
規約はこれからも改定が続く分野です。動きがあれば、また続報として整理します。投稿・販売の前には、必ず各サイトの最新の規約・ガイドラインを確認してください。